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事業の譲渡価格はどのように決められるものなのでしょうか?インターネットのサイトやM&A専門会社のコンサルタントに聞くと、償却前営業利益の5倍程度に実質純資産を加算した金額ということなのですが、実際取引されている譲渡価格についてアドバイスいただけると助かります。

専門家の回答

ご相談ありがとうございます。

一般的に、譲渡価格には以下の4つの方法があると言われています。

1.市場株価方式:株式公開している業界が似ている企業の株価をもとに、その企業と比べて株価を算定する方式

2.純資産方式:貸借対照表の純資産額をもとに、株価を算定する方式

3.収益還元方式:企業の収益力をもとに、株価を算定する方式

4.配当還元方式:配当をもとに、株価を算定する方式

と言ってもなんだか、難しい言葉が並ぶばかりなので、私の場合は簡易的に2と3を組み合わせて譲渡価格を検討しています。

2は貸借対照表を読み解いて、「棚卸商品が本当に売れるのか?」「退職金はどれくらい支払う必要があるのか?」などを精緻に見極めて本当の資産価値を算定します。3は損益計算書を元に、経常利益から親族の方などの役員報酬など譲渡後支払う必要のないものを差し引き、減価償却費などお金が実際は動かないものを加えたりして、実際に使えるお金(フリーキャッシュフロー)を算定します。この実際に使えるお金を事業によって異なると思いますが、一般的に3年くらいと見込んで掛け合わせます。(正式には、割引率などという計算をしたりはしますが、簡易的には単純に掛け算でよいかと)

この2と3を加えたものを譲渡価格としています。

 

とはいうものの、ですが、「譲渡する人と譲受する人」の交渉で譲渡価格は大きく変わることも多く見られます。最後の最後は「人と人」によるものが大きいと思います。利害のある2社だけだと本音が言い切れないこともあると思いますので、はやりご自身にあった仲介会社などのパートナーを探されると良いと思われます。

株式会社イードゥービー
大学卒業後、某出版系ベンチャー企業に入社するも10ヶ月で倒産し、新卒一年目にして路頭に迷う。強く独立を意識し始め、成長...
専門家の回答
事業の譲渡価格は、業種や会社の経営状態によって変動しますが、ご質問にある通り、償却前営業利益の3~7倍程度で取引されることが多いようです。ただし、事業に関係のない不動産や会員権等は売却することを前提として評価されますし、資産性のない資産等は純資産から差し引かれてしまいます。また、日本の場合、実際には事業に関係していない親族等が役員となり報酬を得ていたり、事業に不要な交際費を使う等で利益を低く見せているケースも多く、その場合は、事業と関係のないコストを販売管理費から差し引き、実質利益をベースに売り手と交渉することも多いです。ただ、買い手はできるだけ安く買いたい、売り手はできるだけ高く売りたいという原理原則は変わらないので、できるだけ高く売却したい場合は、売却時期の1年前あたりから綿密に計画をたて、専門のコンサルタントに相談するのが良いと思います。
株式会社アイモコジャパン
総合商社でシステムエンジニア、新規事業開発、海外プロジェクトの経験を積んだ後、大手電機メーカーの社内ファンドでファン...
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