事業承継.jp

事業承継.jpは、事業承継について匿名で専門家に相談できるサービスです。

  • 初めての方へ
ご利用状況
111
  • 専門家に相談する
  • 過去の相談を見る
  • 専門家を探す
  • 専門家のコラムを探す

ニュース

家電量販店大手のノジマ、携帯販売大手のITXを買収

2014.11.19
カテゴリ: M&A

首都圏地盤の家電量販店大手、ノジマは18日、携帯電話販売5位のアイ・ティー・エックス(ITX、東京・港、荻原正也社長)を買収すると正式発表 した。ノジマは携帯電話販売で現在の10位前後から3位に浮上する。850億円という年間売り上げの半分弱に相当する投資に踏み切り、自社を上回る規模の 企業を手に入れる。スマートフォン(スマホ)など飽和感の強い国内の携帯電話市場で成長していくことができるか。

 「日本一の質を誇る携帯 電話の販売代理店をめざす」。18日、都内でITXと開いた記者会見で、野島広司社長はこう語った。投資ファンドの日本産業パートナーズ(東京・千代田) などから全株式を取得。大半を来年3月に譲り受ける。野島社長は「質を高めれば規模はおのずとついてくる」とも続け、国内トップを視野に入れる。

  ノジマが過去最高額の投資を決断したのは、携帯電話販売事業が収益のけん引役になると読むからだ。販売代理店は通信会社から端末を仕入れ、消費者に販売し 手数料を得る。ノジマの販売台数は約100万台と中堅だが、販売力には自信をみせる。携帯電話メーカーからの応援をほとんど使わず、売り場は自社の正社員 やパートが中心。IT(情報技術)機器は複雑さを増し、丁寧な説明が欠かせず、接客力に責任を持つために自社人材にこだわる。

 商品説明だ けでなく雑談が数時間に上ることがあっても真摯に顧客に対応する。接客スキルを磨くために7月には人材教育を手がける企業を傘下に収めた。連結従業員数は 1800人弱だが、携帯電話事業強化にここ数年、400人規模で大卒を採用。多くを販売現場に投入している。

 「うちを量販店とは呼ばない でくれ」。創業家出身の野島社長の口癖だ。従来型の家電量販店の枠組みでくくられるのを嫌い「コンサルティング営業」(野島社長)が肝要とする。ノジマの 店舗数は約120と1千店強の最大手ヤマダ電機に比べ小さいが、利益率では遜色ない水準に引き上げてきている。

 人口比で普及率が100%を超えた携帯電話は今後、大きな市場拡大が見込めない。MM総研(東京・港)によると、2014年度の携帯電話の出荷台数は3530万台で前年度比1割減る見込み。メーカー系を中心に代理店の再編が進む。

  飽和の時代を迎え、代理店ビジネスも変わりつつある。携帯電話会社は販売奨励金の配分を一律ではなく、スマホ動画配信など付加サービスの販売力で差をつけ てきている。新たなサービスを的確に説明できるといった要素で、代理店が携帯電話会社に選別される時代に突入している。

 当面、ノジマの財務体質悪化が懸念材料だ。現預金は、100億円足らず。野島社長は、「ITXは毎年100億円近いキャッシュフローを出している。返済に困るとは思っていない」と自信を示すが、リスクは小さくない。

 資金調達は、大半を被買収企業のキャッシュフローを返済にあてる「LBOローン」に頼る。9月末で38.5%あった自己資本比率が半減し、2割を切る水準まで落ち込む可能性が高い。

 ノジマは家電量販の大規模な出店拡大や全国展開とは一線を画し、あえてスマホやタブレット(多機能携帯端末)の販売へと大きくかじを切る。飽和といわれる市場で、従来型の「家電量販店」からの脱却をめざす。

浦田英博

浦田英博

株式会社アイモコジャパン 取締役社長

2015.02.20

ノジマも勝負にでましたね。持っているキャッシュの8.5倍のキャッシュを調達して買収、頑張ってほしいものです。
  • 前の記事へ
  • 一覧へ戻る
  • 次の記事へ
  • 会員登録 完全無料
  • 専門家登録フォーム
  • 資料請求はこちら
  • 事業承継 無料簡易診断